勉強が嫌いな子は「勉強すると怒られるから」と言います。
勉強すると怒られる? これはどういうことかと言うと、
家で勉強をはじめて、分からないところをお母さんに聞きます。
すると、最初はやさしく教えているお母さんも子どもの理解力にイライラして、「だから、何度も言ってるでしょ! なんで分からないの」と声を荒げてしまうことがあります。親子とも、遠慮がありませんから、「お母さんがちゃんと説明してくれないからでしょ!」「なに言ってんの、あなたが聞いてないからでしょ」とお互いに感情をぶつけ合います。すると、子どもが勉強する時間にたまにしかいないお父さんが、横から「おいおい、そんなに怒りながら教えても仕方ないだろ」と割って入ります。お母さんも、そういうお父さんにイラ立ち「じゃあ、私は知らない。お父さんが教えて」とさじを投げます。最初はお父さんもやさしく教えていますが、そのうち「ふだん、ちゃんと勉強してないから、こんなことも分からないんだ!」などとイラつきはじめます。子どもも怒られながら勉強なんかしたくありません。「もういい、お父さんからもお母さんからも教わりたくない」と子どもも拗ねます。
結果、「勉強すると怒られる」という悪い体験が記憶されるのです。
こうなると、子どもは勉強嫌いへの道を歩みはじめます。むしろ、家ではまったく勉強しないほうがマシかもしれません。
勉強することが”楽しい” ”誉められる”という「良い体験」にするには、子どもが最初から出来が良いか(笑)、親が辛抱強く教えるか、の二通りしかないのです。
どちらも難しいという場合は(笑)、アウトソーシングしたほうが親にとっても、子どもにとっても良いのです。
子どもが親から教わらないほうがいいこと、つまり親以外から教わったほうが良いことは実はたくさんあります。だからと言って、親は子どもの教育に無関与でいいわけではありません。親が出来るのは、「背中を見せる」こと。言うは易しですが、これに勝る教育はありません。親の背中を見て育つ。子どもにとってこれ以上の「良い体験」はないでしょう。